
「大館橋がなくなるかもしれない」。
そんな声が、市民の皆さまから届くようになりました。
秋田県は6月19日、県議会の建設委員会で、県が管理する道路46区間・約180キロと橋10本について、廃止や維持管理レベルの引き下げを検討すると公表しました。
人口減少と厳しい財政が背景にあり、全県単位でのこうした検討は全国初と報じられています。
この中に、大館市に関わる道路と橋が含まれています。
報道では、大館橋は迂回路を整備した上での撤去が、比内大葛鹿角線・白沢田代線・大館鷹巣線の3路線は廃止や管理水準の引き下げが検討対象とされています。
率直に言えば、大変驚きました。
県管理の道路であり、権限が県にあることは理解しています。
しかし、市への事前の相談はありませんでした。
大館橋の周辺は、多くの車が行き交い、御成町土地区画整理事業などまちづくりを進めてきたエリアです。
どのようなロジックで対象になったのか、疑問を感じたのが正直なところです。
地元紙も「唐突な具体名、住民憤り」「県民生活の視点欠落」と報じているとおり、驚きや戸惑いの声は私のもとにも数多く届いています。県は今回の公表を「議論のスタート」だとしていますが、だからこそ、これからの対話を実のあるものにしていく必要があると考えています。
大館橋は、ただの橋ではありません。
400年以上続くと伝わる大館神明社例祭では、大館囃子を奏でる曳き山車がこの橋を渡ります。
夏には長木川の河川敷で大文字まつりが開かれ、多くの市民がこの橋のそばに集まります。
生活の橋であると同時に、大館の歴史と文化が通る橋です。
そして、対象となっているのは橋だけではありません。
比内大葛鹿角線が通る大葛地域は、犀川沿いに集落が連なり、大葛温泉や金山の歴史を持つ土地です。白沢田代線は花岡から山間部へ、大館鷹巣線は住吉町から北秋田市へと続く、これも生活に欠かせない道路です。
そこに暮らす方々にとって、これらの道路は文字どおり生活の背骨です。
市民の皆さまからは、多くの声をいただいています。
「生活に欠かせない」。
「車がない人は、別の橋まで行って歩くしかない。高齢化社会なのに」。
「地元の声を聞いて、反映してほしい」。
「きちんと対話してほしい」。
一方で、市を経営する立場として、県の問題意識も理解できます。
人口減少が進み、財政が厳しくなり、物価高も続く中で、大きさの変わらないインフラを今までと同じ水準で維持し続けることは、非常に難しい課題です。
これは一自治体の首長として、日々向き合っている現実でもあります。
それでも、私はこう考えます。
道路や橋のような生活インフラは、基本的な機能の低下がないことや、代替手段が確保されている場合を除き、他の事業や政策の見直しを尽くした上で、最後に手をつけるべきものです。
県は、耐用年数や利用者数といった数字をもとに今回の案に至ったのだと思います。
しかし、数字だけでは測れないものがあります。
その道が、その橋が、歴史的に、文化的に、なぜこの街に必要なのか。
収支だけでは測れなくても、行政が守り続ける意義があるのではないか。
それを地域の声とともに県に届けることが、市長である私の一番の役割だと考えています。
すでに、地元選出の県議会議員の方々が県議会で発言してくださっています。
私自身も、地域の皆さまの声を県議会議員の方々に伝えています。
今後、県から地元との合意形成の話が出てくるはずです。
その際には、市民の代表として、しっかりと対話の場で声を届けます。
これからも、協議の状況はSNSなどでお伝えしていきます。
そして、皆さまの声を県に届けることも、市長であり政治家である私の大切な仕事です。
ぜひ、この記事へのコメントやSNSで、お声やご意見をお寄せください。
「市長と話そう」をはじめとする、これからのリアルな対話の場でも、直接お聞かせください。
いただいた一つひとつの声を、県に届けます。
守るべきものを守るために。
数字に表れない価値を、諦めずに伝えていきます。